ブックタイトル資料政経

概要

高校政治経済資料集

●3●憲法の平和主義の構造第2節平和主義と日本の安全保障●4●「戦争放棄」の意味??1947年文部省発行「新しい憲法のはなし」? 87こうきゅう前文日本国民は，恒久の平和を念願し，人すうこう間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて，平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して，われらの安全と生存を保持しようと決意した。第９条1日本国民は，正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し，国権の発いかく動たる戦争と，武力による威嚇又は武力の行使は，国際紛争を解決する手段としては，ほうき永久にこれを放棄する。2前項の目的を達するため，陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。認交第力二項そ戦のの権不他の保の否持戦一項の目的のため第2章第9条戦争放棄不陸海保空軍持のの武第一威項武力嚇力放ののに行放よ棄使棄る紛争解決の手段として戦争の放棄前文絶対的平和主義の宣言信諸国義民にの公信正頼と（『口語憲法』自由国民社に憲法条文を追加作成）●5●戦争放棄の類型侵略戦争の放棄○×平和機構自衛戦争の放棄いまやっと戦争はおわりました。……こんな戦争をして，日本の国はどんな利益があったでしょうか。何もありません。……戦争は人間をほろぼすことです。……そこでこんどの憲法では，日本の国が，けっして二度と戦争をしないように，二つのことをきめました。その一つは，兵隊も軍艦も飛行機も，およそ戦争をするためのものは，いっさいもたないということです。これからさき日本には，陸軍も海軍も空軍もないのです。これを戦力の放棄といいます。「放棄」とは「すててしまう」ということです。……もう一つは，よその国と争いごとがおこったとき，けっして戦争によって，相手をまかして，じぶんのいいぶんをとおそうとしないということをきめたのです。……なぜならば，いくさをしかけることは，けっきょく，じぶんの国をほろぼすようなはめになるからです。また，戦争とまでゆかずとも，国の力で，相手をおどすようなことは，いっさいしないことにきめたのです。これを戦争の放棄というのです。そうしてよその国となかよくして，世界中の国が，よい友だちになってくれるようにすれば，日本の国は，さかえてゆけるのです。第１編現代の政治のと征放す服棄るを戦目争的ド旧フ東ランイドス（イ第ツツ４）ブ韓ラジル国棄し政て策のの戦手争段放と約年一の不九文戦二言条九フスィペリピインン的仲手裁段なをど先平行和南米諸国憲法国際連盟不戦条約軍縮会議日本国憲法少数説芦田・佐々木・大石国際連合自衛戦争は放棄しないと説く（『口語憲法』自由国民社）資料を読む二度と戦争をしないように太平洋戦争の惨禍を体験したわが国は，憲法前文で恒久平和の理想を宣言し，これをうけて第9条1項で「戦争の放棄」，第2項で「戦力の不保持と交戦権の否認」を表明した（3）。日本国憲法のこの平和主義の考え方は，文部省発行の『新しい憲法のはなし』（新しく施行された日本国憲法について文部省が全国の中学1年生に説明する教科書として発行したもの）によく説明されている（4）。そこには二度と戦争をしないという，新生日本の誇りと決意がよくあらわれていよう。諸外国の憲法にも国連など平和機構が禁止している侵略戦争の放棄を規定したものは少なくないが，戦力を保持せず，自衛戦争まで放棄したとされる日本国憲法は他に類をみない（5）。