ブックタイトル資料政経
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高校政治経済資料集
●4●大日本帝国憲法下の政治機構第1節日本国憲法の制定? 77内大臣じょうじほひつ(常侍輔弼)とうすい天皇1元首・統治権の総攬者4神聖不可侵3(統帥権統帥大権国務大権皇室大権の独立)11召集・解散(軍令機関)統帥権の輔弼兵役国務各大臣の義(内閣)務裁判所天皇の名において裁判を行う57天皇の行政権を輔弼55臣民(国民)臣民の権利元老・重臣(首相の推薦など)枢密院重要国務の諮詢56宮内大臣皇族・華族帝国議会衆議院貴族院天皇の立法権の協賛5選挙統帥大権陸海軍の最高の指揮権。天皇大権の一つ。統帥権は国務大臣の輔弼の外におかれ,政府も帝国議会も全くこれに関与することはできなかった。国務大権天皇が総攬した統治権に属する事務のうち統帥事務,皇室事務を除いたものを国務といい,立法・(注)は憲法外機関○数字は明治憲法の関連条文第1条ばんせいいっけい大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス第3条天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス第4条天皇ハ国ノ元首ニシテ統そうらん治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニよ依リ之ヲ行フ第5条きょうさん天皇ハ帝国議会ノ協賛ヲ以テ立法権ヲ行フとうすい第11条天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス第55条1国務各大臣ハ天皇ほひつせめヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス第56条すうみつこもん枢密顧問ハ枢密院官制しじゅんノ定ムル所ニ依リ天皇ノ諮詢ニこた応ヘ重要ノ国務ヲ審議ス第57条1司法権ハ天皇ノ名ニ於テ法律ニ依リ裁判所之ヲ行フ第74条1皇室典範ノ改正ハへ帝国議会ノ議ヲ経ルヲ要セスとうすい行政・司法の広範な権限を含んでいた。統帥(軍令)とは,本来「作戦用兵」を意味し,ほひつ皇室大権天皇の権能のうち皇室に関する部分をいい,……それ以外の軍に関する事項で国務大臣の輔弼一般の国務大権から区別し,宮内大臣が輔弼した。「皇を必要とする「軍政」(例えば,軍の編成,兵力量室典範」は議会の関与の外にあった。の決定等)とは区別する建前にあった。しかし,実内大臣天皇の側近にあって,元老・国務大臣その他と天皇との連絡にあたる。実際政治上重要な役割を果た際の運用において,両者の範囲に明確な限界を画した。することは不可能であったことから,「軍令」は広く元老次期首相の推薦や重要国務についての天皇の諮問「軍政」の範囲に及び,とりわけ軍国主義が支配的にこたえて重要な役割を果たした。黒田清隆・伊藤博文・山県有朋など9名が数えられる。成文法の定めはなく全く慣習法上の制度。になるにつれ,軍に関するほとんどの事項は,政府・議会のコントロールに服することなく独立して処理されるようになった。この統帥権の独立と並んで,軍すうみつ枢密院天皇の諮問にこたえ,重要国務を審議すると定事機構を支えた制度として,軍部大臣現役武官専められた合議体。実際政治上は,政府と議会に対して,天皇大権を擁護する役割を果たした。ない任制がある。これは,……陸・海軍大臣は,現役の武官でなければならないとする制度であり,内閣く宮内大臣軍令機関皇室一切の事務を輔弼する。参謀本部(陸軍),海軍軍令部の2つの機関その政策が軍の意向に副わない限り組閣はできず,また閣議の決定は全会一致とされていたため,軍部があり,天皇の統帥権のもとに軍の統括にあたった。大臣の反対により閣内不統一を招いて総辞職に追資料を読む天皇主権・行政権優位の体制明治憲い込まれることとなった。このように軍は,統帥権の独立の名の下に内閣の干渉を排除しつつ,軍部大臣を通じて政治に強力な圧力を加え,結局は軍部法の下では,神聖不可侵の天皇が主権者として統治権を総独裁の政治が行われるようになるのである。攬する(一手ににぎる)政治体制が確立され,三権分立は形(手島孝監修,安藤高行編『基本憲法学』法律文化社)式的なものであった(4),統帥権の独立を名目とする軍部の横暴は,2.26事件(1936年)後の軍部大臣現役武官制の復活によっていっそう強まった(5)。勅任法律で制限(法律の留保)●5●統帥権の独立と軍部大臣現役武官制第1編現代の政治