ブックタイトル資料政経

概要

高校政治経済資料集

70 ?第1章民主政治の基本原理●7●大統領制の国際比較第１編現代の政治資格選出方法任期議会との関係条約締結だんかいひめん弾劾罷免軍統括非常時ロシア連邦米国フランス35歳以上でロシアに10年以上居住した市民国民の直接選挙6年（3選禁止）法律に署名する。反対意見を添えて，議会に差し戻す権限をもつ。国家会議，連邦会議が3分の2以上で再議決したときはその決定に従う。外交交渉を主導し，ロシア連邦の国際条約に署名する。反逆罪などについて最高裁の裁定に基づき，国家会議が弾劾発議した場合のみ，連邦会議により解任。軍の最高司令官。連邦会議および国家会議に報告したうえで，非常事態を宣言できる。35歳以上。米国に生まれた米国市23歳以上のフランス国民民で，14年以上米国に居住大統領選挙人による間接選挙国民の直接選挙（有効投票の過半数を獲得すること）4年（3選禁止）5年（3選禁止）必要かつ適当であると考える法案の審議を議会に勧告する。大統領は，上下院を通過した法案を承認しない場合，差し戻す権限をもつ。ただし，議会の3分の2以上の多数で再採択されれば発効。上院の助言と同意をもって条約を締結できる。ただし，出席議員の3分の2以上の賛成が必要。大統領は反逆罪などの重罪について上院の弾劾裁判で3分の2以上の同意による有罪判決で罷免。陸海空軍の最高司令官。採択された法案に15日以内に若干の条項の再審議を国会に要求することができる。両院の提案などに基づき法案を国民投票に付することができる。総選挙後1年を経れば自由に国民議会を解散できる。外交を指導しつつ条約を批准する。大統領は大反逆の罪でのみ両議院の公開投票，絶対多数の表決によって議決された場合のみ起訴。軍の長。国防高等評議会，国防最高委員会を統括する。紛争地帯への派兵を命令できるが，共和国の制度，国家の独立，領土その場合48時間以内に連邦議会の安全などが脅かされる場合，首相，に説明する義務がある（宣戦布告両院議長などに諮問したのち，必要は連邦議会の権限）。な措置をとる（非常時の独裁権）。●8●全体主義国家??ナチス・ドイツ政党ナチスドイツ国家人民党ドイツ人民党経済党右翼小会派バイエルン党中央党（カトリック）ドイツ民主党社民党独立社民党共産党計ワイマール議会の構成1921年?7165452164391028444591924 19321928 1930 19335月12月7月11月3295451019166528100?6247214103511712196932131?454931273453120166225153?5449110741312355196820143?775832303772922754133?89608196511111220702121?100584288522?718745120?81647（ドキュメント現代史3『ナチス』平凡社）1929年の世界大恐慌の打撃を大きく受けたドイツにおいてナチスはベルサイユ条約の破棄・再軍備・大ドイツ国家の実現などの民族主義的な主張，不労所得の廃止・大土地所有の没収などの社会主義的要求をかかげて国民大衆にアピールした。また，反共産主義で大資本家などの支配層を安心さとなせ，ドイツ民族の優秀性と「血の純潔」を唱えてユダアウシュビッツの処刑場「死の壁」▲はいせきヤ人を排斥した。第一次大戦後のインフレと大恐慌という社会的混乱を背景に，「親衛隊」や「突撃隊」を組織してテロと脅迫によって共産党など他の政党や労働組合を弾圧して第一党となったナチスの党首ヒトラーは，1933年には全権委任法（授権法：国会や大統領の承認なしに政府が立法できるとする法）を提案し，共産党を議場から締め出して採決・可決した。これによって，当時もっとも民主的といわけいがいかれたワイマール憲法は形骸化し，ヒトラーは言論・結社など一切の基本的人権を抑圧し，近隣諸国への侵略とユダヤ人の大量虐殺をくり返した。やがてナチス・ドイツは第二次世界大戦の火つけ役となった。（樺山紘一『世界史の知8 8』新書館）