ブックタイトル資料政経
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高校政治経済資料集
第2節近代民主政治の原理? 59●?●世界人権宣言(抄)●?●国際人権規約(抄)〔1948. 12. 10,第3回国連総会採択〕資料を読む第二次世界大戦後,人権の確保が平和の維持と不可分であることが強く認識された。そこで国連は,賛成48か国,反対なし,棄権8か国(ソ連などは宣言が国家主権を侵害するおそれがあるという理由で棄権)で,世界人権宣言を採択した。宣言は前文と本文30条からなり,自由権の占める割合が大きいが,社会権についても,労働の権利や労働者の団結権,社会保障に対する権利などにも言及している。条約のような法的拘束力はないが,人権保障の基準を示したものとして,宣言の意義は大きい。前文人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と平等で譲ることのできない権利とを承認することは,世界における自由と平和との基礎であるので,人権の無視及び軽視が,人類の良心を踏みにじった野蛮行為をもたらし,言論及び信仰の自由が受けられ,恐怖及び欠乏のない世界の到来が,一般の人々の最高の願望として宣言されたので,人間が専制と圧迫とに対する最後の手段として反逆に訴えることがないようにするためには,法の支配によって人権を保護することが肝要であるので,…ここに,国際連合総会は,……すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準として,この世界人権宣言を公布する。第1条〔自由平等・同胞の精神〕すべての人間は,生まれながらにして自由であり,かつ,尊厳と権利とについて平等である。人間は,理性と良心とを授けられており,互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。第2条〔差別の禁止〕1すべて人は,人種,皮膚の色,性,言語,宗教,政治上その他の意見,国民的若しくは社会的出身,財産,門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく,この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。第3条〔生命,自由,身体の安全〕すべて人は,生命,自由及び身体の安全に対する権利を有する。第21条〔政治的権利〕1すべて人は,直接に又は自由に選ばれた代表者を通じて,自国の政治に参与する権利を有する。第23条〔労働に関する権利〕1すべて人は,勤労し,職業を自由に選択し,公正かつ有利な勤労条件を確保し,及び失業に対する保護を受ける権利を有する。〔1966年採択,1976年発効,1979年日本批准〕資料を読む世界人権宣言は法的拘束力をもつものではなかったので,これを条約化し,その実施を義務づけるために採択されたのが,国際人権規約である。「経済的,社会的および文化的権利に関する規約」(A規約,社会権規約),「市民的および政治的権利に関する規約」(B規約,自由権規約),自由権規約に関する「選択議定書」の三条約からなる。わが国は1978年,A・B両規約に署名したが,A規約のうち,公休日の報酬の支払い,官公労働者のスト権については留保している。また,司法権の独立等を理由に,選択議定書には加入していない。〔経済的,社会的および文化的権利に関する規約:A規約〕第1条〔人民の自決の権利〕1すべての人民は,自決の権利を有する。この権利に基づき,すべての人民は,その政治的地位を自由に決定し並びにその経済的,社会的及び文化的発展を自由に追求する。2すべての人民は,互恵の原則に基づく国際的経済協力から生ずる義務及び国際法上の義務に違反しない限り,自己のためにその天然の富及び資源を自由に処分することができる。人民は,いかなる場合にも,その生存のための手段を奪われることはない。第2条〔人権実現の義務〕1(略)2この規約の締約国は,この規約に規定する権利が人種,皮膚の色,性,言語,宗教,政治的意見その他の意見,国民的若しくは社会的出身,財産,出生又は他の地位によるいかなる差別もなしに行使されることを保障することを約束する。第6条1この規約の締約国は,労働の権利を認めるものとし,この権利を保障するため適当な措置をとる。この権利には,すべての者が自由に選択し又は承諾する労働によって生計を立てる機会を得る権利を含む。第11条〔生活水準についての権利〕1この規約の締約国は,自己及びその家族のための相当な食糧,衣類及び住居を内容とする相当な生活水準についての並びに生活条件の不断の改善についてのすべての者の権利を認める。〔市民的及び政治的権利に関する規約:B規約〕第9条〔身体の自由及び逮捕抑留の要件〕1すべての者は,身体の自由及び安全についての権利を有する。何人も,恣意的に逮捕され又は抑留されない。……(?・?,小田滋・石本泰雄『解説条約集』三省堂)第1編現代の政治