ブックタイトル資料政経
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高校政治経済資料集
3──2015/巻頭特集2.戦後社会における「格差」の変遷1「格差」の戦後史一般に,第二次世界大戦後の日本社会は,比較的平等な社会が長く続き,近年になって格差が拡大するようになったと思われている。しかし,実際はそう単純ではなく,少し丁寧に「格差」の流れをみておく必要がある。第1期(1945年? 50年):〈格差の縮小期〉戦争直後の農地改革や労働改革がもたらした格差の縮小の時期。戦前の大きな不平等社会を形作っていた財閥や地主制などが解体され,経済の民主化が進んだ時期である。第2期(1950年代):〈格差の拡大期〉戦後復興が本格化し,大企業を中心とした生産体制が再建されるなかで,大企業と中小企業,工業と農業などの間に二重構造が指摘されるようになる。当然それは,就業する産業の違いによる所得格差を人々の間に生じさせることになった。第3期(1960 ? 70年代):〈格差の縮小期〉高度経済成長が産み出した「果実」が徐々に社会に浸透し1970年代に入ると「一億総中流」の時代を迎えた。第4期(1980 ? 90年代):〈格差の拡大期〉1980年代に格差拡大が始まり,90年代になると拡大のスピードが増大するようになる。高度経済成長期に実現した戦後の日本社会は,この時期を境に再編されはじめ現在に至る。●ジニ係数(?p.270)で見る所得格差の推移0.60.40.2当初所得01952 61 66 71 74 77 80再分配所得83 86 89 92 95 98 200104(橋本健二『「格差」の戦後史』河出ブックスより作成)年2「日本の格差」の国際比較─OECD諸国のジニ係数と貧困率ジニ係数貧困率メキシコ0.474メキシコ0.184トルコ0.430トルコ0.175ポルトガル0.385米国0.171米国0.381日本0.149ポーランド0.372アイルランド0.148イタリア0.352韓国0.146ニュージーランド0.335ポーランド0.146英国0.335スペイン0.141アイルランド0.328ポルトガル0.129ギリシャ0.321ギリシャ0.126日本0.321オーストラリア0.124スペイン0.319カナダ0.120カナダ0.317イタリア0.114韓国0.312ドイツ0.110OECD平均0.311ニュージーランド0.108オーストラリア0.301OEDC平均0.106ドイツ0.298ベルギー0.088ハンガリー0.291スイス0.087フランス0.281英国0.083アイスランド0.280スロバキア0.081ノルウェー0.276ルクセンブルク0.081スイス0.276オランダ0.077オランダ0.271フィンランド0.073ベルギー0.271ハンガリー0.071フィンランド0.269アイスランド0.071チェコ0.268フランス0.071スロバキア0.268ノルウェー0.068オーストリア0.265オーストリア0.068ルクセンブルク0.258チェコ0.058スウェーデン0.234スウェーデン0.053デンマーク0.232デンマーク0.053〈データを読む〉「ジニ係数」はP.270を参照のこと。「貧困率」とは,その国の全人口の所得分布の中央値を算出し,その半分以下の所得水準にある者を「相対的貧困者」として,その割合をいう(この表では百分率換算する以前の数字を使っている)。また,ここで国際比較の対象となっているOECD(経済協力開発機構)は,いわゆる「先進国」とされる国々で構成される国際組織であり,日本のジニ係数,貧困率ともにOECD平均より高いことがわかる。とくにアメリカと日本の貧困率の高さが目立つ。