ブックタイトル資料政経
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高校政治経済資料集
20 ?――政治・経済便覧〔法律案の議決,衆議院の優越〕第59条1法律案は,この憲法に特別の定のある場合を除いては,両議院で可決したとき法律となる。2衆議院で可決し,参議院でこれと異なつた議決をした法律案は,衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは,法律となる。3前項の規定は,法律の定めるところにより,衆議院が,両議院のさまた協議会を開くことを求めることを妨げない。4参議院が,衆議院の可決した法律案を受け取つた後,国会休会中の期間を除いて60日以内に,議決しないときは,衆議院は,参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。〔衆議院の予算先議,予算議決に関する衆議院の優越〕第60条1予算は,さきに衆議院に提出しなければならない。2予算について,参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に,法律の定めるところにより,両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき,又は参議院が,衆議院の可決した予算を受け取つた後,国会休会中の期間を除いて30日以内に,議決しないときは,衆議院の議決を国会の議決とする。〔条約の承認に関する衆議院の優越〕第61条条約の締結に必要な国会の承認については,前条第2項の規定を準用する。〔議院の国政調査権〕第62条両議院は,各々国政に関する調査を行ひ,これに関して,証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。〔閣僚の議院出席の権利と義務〕第63条内閣総理大臣その他の国務大臣は,両議院の一に議席を有いつすると有しないとにかかはらず,何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又,答弁又は説明のため出席を求められたときは,出席しなければならない。だんがい〔弾劾裁判所〕ひめんそつい第64条1国会は,罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため,もう両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。2弾劾に関する事項は,法律でこれを定める。憲法を読む・23衆議院の優越(第59,60,61,67条)両院制において国会の意思は,原則として,両院のしん意思が合致したときに成立する。両院制は,議事を慎ちょう重にし,国民の異なる方面の意思や利益を反映できるなどの長所があるが,その反面,短所もあり,両院がじゅうたい対立すれば国政の渋滞を生じ必要な立法を困難にする。そこで日本国憲法は,法律案の議決,予算の議決,条約の承認,内閣総理大臣の指名の4つについて,任期も短く解散制度もある衆議院に優越的地位を認め,衆議院と参議院の意思が一致しないとき,一定の条件のもとで衆議院の意思を国会の意思とするとしている。法律案は「衆議院で出席議員の3分の2以上の多数用語解説第60条予算1会計年度における国の歳入(収入)・歳出(支出)の予定計算(見積り)をいう。予算は1年単位に区切られる。法律と同じであって,内閣は毎会計年度の予算をつくり,国会に提出し・審議を受け,議決を経なければならない。第61条条約国家間の「文書による合意」をいう。文書による合意は,条約・協約・協定・憲章などで,原則として「条約」に含まれるが,条約を実施するための規定や条約の委任に基づくものは,ここにいう「条約」には含まれない。第64条弾劾裁判所裁判官は,裁判にしつむよって執務不能と決定された場合および国民審査(最高裁裁判官のみ)以外は,公の弾劾によらなければ罷免されない(憲法第78条)。衆参各10人の議員によって構成する裁判官訴追委員会によって罷免の訴追を受けた裁判官の訴追事実を審理するのが弾劾裁判所である。衆参各7人の議員によって構成されるが,憲法上の特別の機関として国会から独立して裁判を行う。1947年の弾劾制度発足以来,訴追されて弾劾裁判が行われたのは9件で,そのうち7件が罷免された(?p.177)。で再び可決したとき」,予算と条約の場合「両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき,又は参議院が衆議院の可決した予算(条約)を受け取った後,国会の休会中の期間を除いて30日以内に,議決しないとき」,内閣総理大臣の指名については参議院が10日以内に議決をしないとき,衆議院の議決が国会の議決となる。ここで,法律案の議決よりも予算の議決と条約の承認,さらに内閣総理大臣の指名に衆議院の優越が強く現れているのは,行政に対する影響や国際関係かじんそくら,一般の立法よりも迅速・確実な成立を必要とするから,といわれている。この他,法律で衆議院の優越が認められているものに,国会の会期の決定(常会を除く)と会期の延長(国会法第13条)などがある。