ブックタイトル資料政経
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高校政治経済資料集
〔集会・結社・表現の自由,通信の秘密〕いっさい第21条1集会,結社及び言論,出版その他一切の表現の自由は,これを保障する。けんえつおか2検閲は,これをしてはならない。通信の秘密は,これを侵してはならない。りだつ〔居住・移転及び職業選択の自由,外国移住及び国籍離脱の自由〕第22条1何人も,公共の福祉に反しない限り,居住,移転及び職業選択の自由を有する。2何人も,外国に移住し,又は国籍を離脱する自由を侵されない。〔学問の自由〕第23条学問の自由は,これを保障する。そんげん〔家族生活における個人の尊厳と両性の平等〕こんいん第24条1婚姻は,両性の合意のみに基いて成立し,夫婦が同等の権利を有することを基本として,相互の協力により,維持されなければならない。はいぐうりこん2配偶者の選択,財産権,相続,住居の選定,離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては,法律は,個人の尊厳と両りっきゃく性の本質的平等に立脚して,制定されなければならない。政治・経済便覧――用語解説第21条? 13結社一定の目的をもって集まる多数の人の結合。たとえば,政治結社(政党),学術結社(学会)など。検閲外部に発表する思想内容を,公権力によってあらかじめ調べ,必要があるときは,その発表を禁止すること。第22条国籍を離脱人が自らの意思で国籍をはなれる(又は失う)ことをいう。第24条配偶者夫の立場から妻を,妻の立場から夫を,それぞれ配偶者という。立脚よりどころを定めること。憲法を読む・11憲法を読む・12集会・結社・表現の自由(第21条)集会の自由とは,多数の人々が共同の目的をもって一定の場所に集合することが公権力によって制限されないことを意味する。結社の自由とは,多数人が一定の目的のために継続的に結合して団体を設立し加入する自由である。また,表現の自由とは,国民が自己の有する思想・信条などを社会に表明するに際し,国家権力による制約を受けない権利で,言論,出版のみならず,演劇,ラジオ,テレビ,映画,写真など一切の表現の自由が保障される。明治憲法にも表現の自由の規定がりゅうほあったが,「法律の留保」があり,治安維持法や出版きび法などによって厳しく制限されていた。日本国憲法は第21条1項で集会・結社の自由,表現の自由を定めている。表現の自由は民主政治の不可欠の条件であり,民主社会における最も基本的な権利である。しかし表現の自由は,内心の自由と異なり本らんよう質的に社会的なものであり,濫用が禁止されるとともに「公共の福祉」の要請によって制約を受けることになる。きそんぶじょく他人の名誉を毀損したり,侮辱したりすることやプライバシーを不法に侵害する表現などは許されない。表現の自由と公共の福祉との関係が問われた事件もチャタレー事件や東京都公安条例事件など数多い。けんえつ第2項は検閲の禁止を規定している。検閲は,出版物や放送の内容を公権力がチェックし,社会の秩序をたも保つなどの理由で,その発表を禁止したりすることである。検閲の禁止は絶対的であって,公共の福祉を理由とする例外の許容は認められない。学問の自由(第23条)ふかけつ学問は個人の人間形成にも社会の発展にも不可欠のきぞんものであるが,他方,学問は既存の価値や真理とされているものを疑い,批判して,新たな価値や真理を創造することを本質とする。したがって,既存の価値を守ろうとする権力によって弾圧を受けやすく,特に高い程度の自由が要求される。明治憲法時代,学問の自由のたきがわみの規定がなかったこともあって,滝川事件(1933),美濃べ部達吉博士の天皇機関説事件(1935)など学問の自由あいつへの弾圧が相次いだ(? p.116)。学問の自由は,学問研究の自由,研究成果発表の自由,教授の自由などの学問的研究活動の自由である。また,学問の自由を保障するためには,その学問研究を行なう大学における研究者や教授者が,国家などかかいにゅうらの介入を受けずに,その自主的判断において大学の管理運営を行なうことが制度的に保障されていなければ完全ではなく,これを大学の自治という。大学の自治のもとでは,大学の教授など研究者の選任は大学のゆだ自主的判断に委ねられ,また,大学の施設や学生の管理も原則として大学が自主的に判断する。東大ポポロ劇団事件(? p.116)はこの学問の自由と大学の自治が問題となった事件である。なお,学問の自由とりわけ教授の自由が高等学校以下の下級教育機関においても認められるかの問題があるが,最高裁は,旭川学力テスト事件などで,いまだ批判力が不充分な下級教育機関には大学等において認められるような教授の自由は認められないとした。