ブックタイトル資料政経
- ページ
- 18/162
このページは siryouseikei2015 の電子ブックに掲載されている18ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは siryouseikei2015 の電子ブックに掲載されている18ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
高校政治経済資料集
12 ?――政治・経済便覧ひめん〔公務員選定罷免権,公務員の本質,普通選挙の保障,秘密投票の保障〕第15条1公務員を選定し,及びこれを罷免することは,国民固有の権利である。2すべて公務員は,全体の奉仕者であつて,一部の奉仕者ではない。3公務員の選挙については,成年者による普通選挙を保障する。おか4すべて選挙における投票の秘密は,これを侵してはならない。選挙人は,その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。〔請願権〕ひめん第16条何人も,損害の救済,公務員の罷免,法律,命令又は規へいおん則の制定,廃止又は改正その他の事項に関し,平穏に請願する権利を有し,何人も,かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。〔国及び公共団体の賠償責任〕第17条何人も,公務員の不法行為により,損害を受けたときは,法律の定めるところにより,国又は公共団体に,その賠償を求めることができる。どれいこうそくくえき〔奴隷的拘束及び苦役からの自由〕よ第18条何人も,いかなる奴隷的拘束も受けない。又,犯罪に因しょばつる処罰の場合を除いては,その意に反する苦役に服させられない。〔思想及び良心の自由〕おか第19条思想及び良心の自由は,これを侵してはならない。〔信教の自由,国の宗教活動の禁止〕第20条1信教の自由は,何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も,国から特権を受け,又は政治上の権力を行使してはならない。2何人も,宗教上の行為,祝典,儀式又は行事に参加することを強制されない。3国及びその機関は,宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。用語解説第15条罷免職務をやめさせること。普通選挙選挙権について門地(家がら)・財産・納税・教育などを選挙権の要件とせず,一般国民に選挙権を保障する制度をいう。第16条請願国または地方公共団体の機関に対し,国民が希望を申し出ること。相手方はこれを誠実に処理しなければならないが,拘束されることはない。第17条不法行為故意または過失の違法な行為によって他人に損害を与え,その損害について賠償する責任が生じる行為。第18条意に反する苦役本人の意志に反して強制される労役。たとえば,強制的な土木工事に従事させること。政府は,徴兵制違憲の根拠として,第13条と,この第18条の奴隷的拘束による意に反する苦役をあげている。憲法を読む・9憲法を読む・10思想・良心の自由(第19条)国民が,その内心においていかなる思想を有していても,国家権力によって迫害を受けない権利で,内心の自由ともいう。内心の自由は個人の尊厳にとっての絶対的条件であり,他の精神的自由の根底である。国家は,国民に対し,特定の思想を有すること・有しないことを理由に差別することが許されず,また,内心を告白することを強制してはならない(沈黙の自由)。さらに交遊関係や読書傾向からその思想を推定して迫害を加えることなども許されない。思想がまだ外部に現れずに内心に止まっている場合は,国法による規律の対象外であり,内心の自由は絶対的である。ただ,その思想が対外的行動として外部に現れた場合に他者との関わりにおいてはじめて規制の対象となる。なお,私人間の思想・良心の自由が争点となった事件に三菱樹脂訴訟(?p.113)がある。信教の自由(第20条)信教の自由は,ヨーロッパのユグノー戦争(1562 ?98)や30年戦争(1618 ? 48)などの宗教戦争の中で,宗教的寛容を求める人々の長い闘争を経て確立されたもので,自由権の中の先駆的かつ中心的地位を占める。あんねいちつじょさまた明治憲法の信教の自由には,「安寧秩序ヲ妨ケス及しんみんそむおい臣民タルノ義務二背カサル限ニ於テ」という制限が存在し,また,国家神道があたかも国教のような取り扱いを受けていた。そこで日本国憲法は,信教の自由を制度的に保障するための政教分離を重視し,第20条1項後段から第3項まで詳細な規定をおいている。国家つじちんさいと宗教の関わりについて最高裁は,津地鎮祭訴訟(?p.117)で,憲法が禁ずる宗教的活動とは「行為の目的が宗教的意義をもち,その効果が宗教に対する援助,助長,促進又は圧迫,干渉等になるような行為をいう」と,目的効果論に立ち,それ以外は認められるとした。