ブックタイトル資料政経
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高校政治経済資料集
●2●部落解放のあゆみ年おもな事項1871太政官布告いわゆる「解放令」(賤民廃止令)えた(明治4)「穢多非人等の称廃せられ候条,自今,身分職業とも平民同様たるべきこと」じんしん72「壬申戸籍」施行??新平民とか雑業とか旧穢多とかの身分呼称を記入されることもあった1914「帝国公道会」創立(内務省後援)??部落民(大正3)への同情と差別への反省を求める「融和策」22「全国水平社」創立,水平社宣言2633(昭和8)福岡連隊事件??軍隊内で差別撤廃闘争高松差別裁判事件(被差別部落民であることを隠して結婚したことが結婚目的の誘拐罪にあたるとして有罪判決)反対闘争,一定の勝利46「部落解放全国委員会」結成(京都市)51(昭和26)京都「オール・ロマンス事件」??雑誌「オール・ロマンス」の差別小説から,その筆者の勤務先の京都市の差別行政反対闘争へ発展53「全国同和教育研究協議会」結成55「部落解放委員会」,「部落解放同盟」と改称6063部落解放同盟第15回大会,「綱領」改定埼玉県狭山市で女子高生殺人事件発生??犯人として被差別部落の石川一雄青年が逮捕され,犯行否認のまま死刑判決。部落差別による冤罪であるとして差別裁判闘争起こる65同和対策審議会の「答申」??行政の責任と国民的課題が明確にされたきゅうだん68「壬申戸籍」糾弾闘争??政府,厳封・廃棄を通達69「同和対策事業特別措置法」(同対法)制定('82失効)76「全国部落解放運動連合会」組織される77「狭山事件」の上告審で,被告側の上告棄却82「地域改善対策特別措置法」制定('87失効)87「地域改善対策財特法」(地対財特法)制定9297残事業が多いとして地対財特法5年間延長地対財特法改正(45事業→15事業に)人権擁護施策推進法施行(5年間の時限立法)200002人権教育人権啓発推進法成立地対財特法失効第4節基本的人権の保障? 123●3●全国水平社の「綱領」と「宣言」綱領一,吾々特殊部落民は部落民自身の行動によつて絶対の解放を期す一,吾々特殊部落民は絶対に経済の自由と職業の自由を社会に要求し以て獲得を期すかくせい一,吾々は人間性の原理に覚醒し人類最高の完成に向つて突進す宣言全国に散在する吾が特殊部落民よ団結せよ。いじ長い間虐められて来た兄弟よ,(中略)かっこう兄弟よ,吾々の祖先は自由,平等の渇仰者であろうれつり,実行者であつた。陋劣なる階級政策の犠牲者であり男らしき産業的殉教者であつたのだ。ケモノはの皮剥ぐ報酬として,生々しき人間の皮を剥ぎ取られ,ケモノの心臓を裂く代価として,暖い人間の心くだちょうしょうつば臓を引裂かれ,そこへ下らない嘲笑の唾まで吐きかのろけられた呪はれの夜の悪夢のうちにも,なほ誇り得かる人間の血は,涸れずにあつた。そうだ,そして吾々うは,この血を享けて人間が神にかわらうとする時代らくいんにあうたのだ。犠牲者がその烙印を投げ返す時がけいかん来たのだ。殉教者が,その荊冠を祝福される時が来たのだ。吾々がエタである事を誇り得る時が来たのだ。きょうだ吾々は,かならず卑屈なる言葉と怯懦なる行為はずかぼうとくによつて,祖先を辱しめ,人間を冒涜どしてはならぬ。そうして人の世の冷たさが,何んなに冷たいか,人いたは間を勦る事が何んであるかをよく知つてゐる吾々は,がんぐらいさい心から人生の熱と光を願求礼賛するものである。水平社は,かくして生れた。人の世に熱あれ,人間に光あれ。大正11年3月3日全国水平社創立大会(1922)水平社のシンボル「荊冠旗」黒地に赤く荊冠(いばらの冠)を描いたこの旗は,部落の人々の受難の生活と荊の道の象徴であった。▲第1編現代の政治資料を読む「同和地区」は部落の行政用語近世の封建社会において身分制の最下位におかれた穢多・非人をはじめとする賤民が居住してきた地域に対する差別が部落差別である。明治4年に賤民廃止令が出され,その後さまざまな行政施策が行われてきているが,今日なお差別を意図する落書きやインターネット上の書き込み,就職や結婚などで差別が残されている(2)。部落解放運動の進展1922年に全国水平社が創立され,部落大衆自身による自主的解放運動が起こる(3)と,政府は「融和対策」の名で改善事業を進めたが,部落差別の解決には役立たなかった。第二次大戦後の解放運動は,水平社の流れをくむ部落解放同盟を中心に進められ,その綱領は,「部落民は,……市民的権利や自由すら侵害されている」と,部落差別の本質をとらえている。